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公示送達とは何か?必要書類や手続きの流れについて解説

公示送達とは何か?必要書類や手続きの流れについて解説

まずは、一般的な裁判手続きの流れをおさらいしましょう。

民事訴訟では、訴えを提起したい側(申立人)が、裁判所に訴状を提出。
裁判所は提出された訴状に不備がなければ、訴えられる側(相手方)に口頭弁論の期日を記載した訴状を送達します。

被告側は、口頭弁論の期日までに申立人の主張する事実関係の認否や、事実にもとづく主張を述べた「答弁書」を裁判所に提出。
裁判当日には、原告と被告は法廷で証拠を出し合い、事実上、または法律上の問題を争います。

もしも、申立人が相手方の所在や住所がわからないと、訴状を送ることができないため、裁判を起こすことができません。

この場合、申立人が相手方に訴状を送ったと見なされるのが、「公示送達」という制度です。

この記事では私達がリサーチした内容を元に、公示送達やその必要書類、手続きの流れについて解説します。

公示送達とは?

公示送達とは、申立人が訴えたい相手の現住所や勤め先がわからない、あるいは相手が海外在住で何らかの事情により送達ができないときに、必要条件をクリアすることで訴状を送ったものとみなされる制度です。

簡易裁判所に公示送達を申請、これが認められれば、文書が裁判所前の掲示板に2週間掲示され(民事訴訟法第百十二条)ます。
これにより、所在・住所のわからない相手方に対して、訴状が送達されたものと見なされます。

公示送達が認められれば、相手方が訴訟提起の事実を知らない場合であっても、裁判手続は通常どおり進み、被告は欠席扱いのまま原告の請求が認められます。

一見すると申立人に有利な制度のようなイメージを抱きますが、当然ながら相手方の所在や住所がわかっているにもかかわらず、公示送達を利用することは不可能です。

また、公示送達の申請を簡易裁判所に認めてもらうためには、相手方の所在・住所がわからず、訴状の送達が困難であることを証明しなければならないため、簡単に制度を利用することはできません。

公示送達の手続きの流れや必要書類とは?

公示送達はどのような手続きのもとでおこなわれるのでしょうか?

まずは公示送達の手続きの流れを見ていきましょう。

  1. 相手方の住所、居所、勤務先等を調査する
  2. 公示送達の申請に必要な書類を準備する
  3. 簡易裁判所で公示送達の手続きをする
  4. 裁判所に訴状が2週間貼り出される

では、手続きの流れの各項目について解説します。

(1)相手方の住所、居所、勤務先等を調査する

公示送達の手続きを進めるためには、大前提として「相手の行方が調査してもわからない」ということを証明し、裁判所にその事実を認めてもらうための証拠となる書類が必要です。

まずは相手の現住所や就業場所と思われる場所へ行き、調査したことを報告書に記入します。

簡易裁判所によって書類の書式や書類名は異なりますが、基本的には次に挙げる項目についての調査が求められます。

  • 調査日時
  • 調査場所
  • 調査内容(表札の有無、郵便受の有無、電気・ガスメーター)
  • 調査方法(面会or電話)

引用:住居所・就業場所等調査報告書

(2)公示送達の申請に必要な書類を準備する

公示送達の申請には、(1)の調査報告書と併せて次の書類が必要となります。

  • 相手方に到達させる意思表示が記載された通知書(A4判原本1部、コピー4部)
  • 公示送達申立書(要収入印紙1000円)
  • 予納郵便切手1034円分(500円×2枚、10円×3枚、1円×4枚)
  • 添付書類等(調査報告書を含む)

参考:意思表示の公示送達

これらの書類はインターネット上に原本が公開されていたり、市区町村の役所で入手できたりします。

相手方の所在調査をおこなったあと、参考ページも参照しながら、公示送達に必要な書類を準備しましょう。

書面に不備や不足があった場合は、裁判所の担当係から連絡があります。

(3)簡易裁判所で公示送達の手続きをする

調査報告書を記載し、申請に必要書類を集めたら、公示送達の手続きを相手が所在不明になる直前までに住んでいた住所地(最後の住所)を管轄する簡易裁判所でおこないます。

ただし、相手方自身が不明な場合には、意思表示をしている申立人の住所地の簡易裁判所に申立てをおこなうことになります

(4)裁判所に訴状が2週間貼り出される

公示送達が裁判所によって認められると、訴状などを裁判所の掲示板に2週間掲示します。

この期間が過ぎても相手方(被告)から何も連絡がなければ訴状が届いたと見なされ、被告の知らないうちに裁判がおこなわれることになります。

公示送達の要件とは?

民事訴訟法第百十条には、公示送達の要件について次のように定めています。

(公示送達の要件)
第百十条 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、申立てにより、公示送達をすることができる。

  1. 当事者の住所、居所その他送達をすべき場所が知れない場合
  2. 第百七条第一項の規定により送達をすることができない場合
  3. 外国においてすべき送達について、第百八条の規定によることができず、又はこれによっても送達をすることができないと認めるべき場合

引用:民事訴訟法(平成八年法律第百九号)

上記のうち、若干わかりにくい第二項については、「書留郵便による送達(特別送達)をすることができない場合」が該当します。

つまり、公示送達の要件は次のように要約することができます。

  • 相手方の住所、居所、就業場所など送達すべき場所がわからない場合
  • 書留郵便によって送達することができない場合
  • 相手方は外国にいるが、何らかの事情により送達することができない場合

それぞれの要件について、詳しく解説します。

(1)相手方の住所、居所、就業場所など送達すべき場所がわからない

申立人が訴状を送る相手方の行方がどんなに調査をしても特定できない場合、公示送達の申請が認められますが、そのためには相手方の現住所や勤め先の住所が特定できないことを、書類で証明する必要があります。

公示送達は、相手方が訴訟提起された事実を知らない場合であっても裁判手続きを進めることができる、いわば最終手段なのです。

そのため、相手方の現住所が不明でも、職場の住所は調査次第で判明する可能性がある場合や、職場に連絡すれば相手方の所在が判明する可能性があるのに連絡をしていない場合、相手の居所に実際に訪問して不在かどうかの確認を怠った場合など、「まだ相手方の所在を調査できる余地が申立人にある」と裁判所が判断すれば、公示送達の申請は見送られてしまいます。

しかし、仕事やプライベートが忙しい人が、訴えたい相手の所在を徹底的に調査することは困難を極めます。

調査のためのまとまった時間がとれない場合や、調査そのものの方法がわからない場合は、人探しのプロである探偵に依頼することをおすすめします。

(2)書留郵便あるいはそれに準ずる方法によっても、送達することができない

裁判所からの訴状は書留郵便(特別送達)で送付されますが、相手が確かに郵便を受け取ったという事実がなければ、裁判手続きを進めることはできません。

たとえ相手が書留郵便の受け取りを拒否しても、当人がその住所に居住しているのは明らかなため、訴状を受け取ったと見なされ、裁判手続きを進めることができます。
しかし、相手が不在で訴状を受け取らなかった場合は訴状を送達したと認められません。

ただし、相手がその住所に居住しているのが間違いないにも関わらず、訴状を受け取らないという場合は、書留郵便と普通郵便とが併用された付郵便という方法で再度送達がおこなわれ、たとえ相手が書留の方を受け取らなくても、普通郵便が送達されれば訴状が送達されたと見なされます。

相手の居所が調査してもわからず、なおかつ書留郵便でも送達することができないということは、結果的に(1)と同じ扱いになります。

(3)相手方は外国にいるが、何らかの事情により送達することができない

相手が海外にいることはわかっていても、わが国と国交を断絶していたり、戦乱や天災などで混乱の状況にあったりする場合、個人での送達が困難であると裁判所が判断すれば、公示送達の申請が認められます。

また、それ以外の状況であっても、訴えたい相手が海外にいて、なおかつ現住所の確認が困難であれば、公示送達の要件をクリアしたとみなされる場合もあります。

公示送達が認められない場合は探偵に依頼を

「公示送達が認められない場合」というのは、次の2つのケースが考えられます。

  • 裁判所に調査不十分と判断された場合
  • 少額訴訟を提起したい場合

(1)裁判所に調査不十分と判断された場合

所在不明の相手に対して訴えを提起したい場合、相手の現住地や職場に直接足を運んで、生活感の有無や近隣への聞き込み調査、あるいは職場の人への確認を、すべて申立人自身でおこなわなければなりません。

しかし、仕事やプライベートが忙しい人が、調査に時間を割くのは非常に困難です。
万が一、裁判所が調査不十分として公示送達の申請を却下したら、調査に費やした時間がほとんど無駄となってしまいます。

申立人自身に調査のための時間や知識がない場合は、探偵事務所へ依頼されることをおすすめします。

調査のための費用はかかりますが、人探しのプロである探偵が徹底的に相手方の所在調査をおこないます。

(2)少額訴訟を提起したい場合

少額訴訟とは、60万円以下の金銭の支払を求める、1日の審理で判決が言い渡される特別な訴訟手続きのことです。

通常の訴訟手続きと比べて被告側が不利益を被る点があるため、少額訴訟においては公示送達が認められていません。
そのため、少額訴訟を提起したい場合は、事前に相手方の所在を調査し、訴状が送達されたことを確認してから提起する必要があります。

相手方の所在がわからない状況での少額訴訟は困難なため、調査費用がかかっても金銭の支払いを求める場合は、探偵事務所に調査を依頼しましょう。

まとめ

公示送達は、所在のわからない相手に対して裁判を起こすための最終手段とされるだけあって、申請するためには相手方が所在不明であることを証明する必要があります。

調査をおこなうことが困難な場合や、裁判所が調査不十分と判断した場合は探偵事務所に依頼して、公示送達の申請が認められるための徹底した調査をお願いしましょう。